おもちゃのユビワ
秀二と拓巳はしばらく電話で話した。秀二はいつ言い出そうかと迷っていたが、とうとう話し始めた。
「今日ナオと話しててさ、兄貴どうしてるかなって。で、オレ一回兄貴んとこ行ってみたいよなって言ってんだけど…」
秀二はナオが行きたいと言ったとは言わないでいた。
それはどうしてだろうか。ナオが兄貴が迷惑がるかも知れないと言っていたから言うとかわいそうに思えたのか、或いは嫉妬からなのか。
秀二にも分からないでいた。
「ここに来るのか?家具家電付きったって何も珍しいもんねえぞ?」
拓巳は驚いた様子だった。
「いや、別に行かなくてもいいんだけどさ…ほら、兄貴の一人暮らしぶりをみてやろうかなってちょっと思って…母ちゃんなんかゴミだらけだろうとか心配してたしよ。いや、どっちでもいいんだけど…」
秀二は慌てて取り繕った。
「…いや、来たっていいさ。」
「え?あ、あっそう…」
「おう、いつ来るよ?」
「じゃ日曜日にでも…」
「分かった、じゃあな。」
秀二は電話を切ると大きなため息をついた。
「ハアア…何でオレが慌てなきゃなんねんだか…」
「今日ナオと話しててさ、兄貴どうしてるかなって。で、オレ一回兄貴んとこ行ってみたいよなって言ってんだけど…」
秀二はナオが行きたいと言ったとは言わないでいた。
それはどうしてだろうか。ナオが兄貴が迷惑がるかも知れないと言っていたから言うとかわいそうに思えたのか、或いは嫉妬からなのか。
秀二にも分からないでいた。
「ここに来るのか?家具家電付きったって何も珍しいもんねえぞ?」
拓巳は驚いた様子だった。
「いや、別に行かなくてもいいんだけどさ…ほら、兄貴の一人暮らしぶりをみてやろうかなってちょっと思って…母ちゃんなんかゴミだらけだろうとか心配してたしよ。いや、どっちでもいいんだけど…」
秀二は慌てて取り繕った。
「…いや、来たっていいさ。」
「え?あ、あっそう…」
「おう、いつ来るよ?」
「じゃ日曜日にでも…」
「分かった、じゃあな。」
秀二は電話を切ると大きなため息をついた。
「ハアア…何でオレが慌てなきゃなんねんだか…」