おもちゃのユビワ
「ようこそ、秀、ナオ!」



後ろから声がして二人の肩にやさしく手が置かれた。拓巳だ。



「拓兄ちゃん!」
「兄貴!」



「良かった、拓兄ちゃん。来てないかと思ったよ。」



「待合室にいたんだ。よく来たな。さあ、行こうぜ。とりあえず部屋のゴミを見にに来んだろ?」



「え?やっぱゴミだらけなんだ。」



「ハッハッハ。ナオは入りたくないって帰っちゃうかもな。行くぞ。」



秀二は待合室の方を確かめたが、さっき拓巳といた女の子はいなかった。



(あれ?見間違いってことないよな…)



釈然としない秀二を拓巳が呼んだ。もう先を歩いている。



「秀!まさかお前が帰っちゃうんじゃないだろうな。」



「…あっ、今行く。」


「アイツの部屋もゴミだらけだよなあナオ。」



「どっちもどっち?て感じ。」



「アハハハ。」



三人は拓巳の部屋に向かった。


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