おもちゃのユビワ
秀二は髪留めを自分のポケットに入れると、二人のところへ戻った。



(家出る時、元に戻せばいいか…)



「何か食いに行くか。ナオは何食べたい?お兄さんがごちそうしよう!」



「スゴい!でもいいの?仕送り生活でしょ?」



「まあな、でもバイト代が入ったのだ!」



「バイトしてたんだ。じゃあ、ごちそうさせてやるか。」



「ハハハ、偉そうに。何がいい?」



「うーん…秀二は何がいい?」



「ナオの好きなのでいいよ。」



「じゃ、おいしいパスタでよろしく。」



「おう、じゃ行くか。」



「ワーイ」



秀二は二人が靴を履いたのを確認した。



「あっ、オレ便所。」


「じゃ、ドアの前で待ってるわ。」



二人が出てドアが閉まると、秀二はポケットから髪留めを取り出し冷蔵庫の上に置いた。


(これでいいか…)



< 40 / 200 >

この作品をシェア

pagetop