おもちゃのユビワ
教室に戻ると、三上が寄ってきた。



「いやー、ご苦労ご苦労、秀二君!」



三上がにやけているので、秀二は苛立ちが増した。



「なんだよっ。」



「アレレー?小池さんはどうしたのー?」



「小池…あの女、小池っていうのか。」



秀二は自分を苛立たせている女の名を知った。



「そりゃないぜ、秀二。小池は一年から同じクラスだぜ?名前くらい知っててやれよ。」



「同じクラス?そうだったのか…。馴れ馴れしいやつだと思った。」



「まあ、秀二は女と全くしゃべんねーからな。ああ、中崎以外な。」



「…」



「お前まさか…。
男が好きって事ねーよな。あれだぞ?おれはダメだぞ?女しか愛せねーからな。
そうか、だから中崎の事女と思ってねーから仲良くできんだな。」


「はっ?バカか。何言ってんの?オリャホモじゃねーっ」



「ちょっと!どういう意味っ?」


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