おもちゃのユビワ
「みーかーみーっ!誰が女じゃないのよっ!」



ナオが二人の会話を聞きつけて文句を言いに近づいてきた。



「いや、違うんだ。秀二がよ、中崎は女として見てねーって。」



慌てた三上の言い訳はナオの怒りの矛先を秀二に変えた。



「しゅーうじーっ?
どういう事かしら。こんなかわいい女の子を女の子としてみてないって、失礼なのよっ!」



ナオは
「女の子としてみられない」
という言葉に敏感になっていた。



拓巳の自分に対する気持ちを言い表している言葉だからだ。



「…なんだよ、別に男としては見てねーよ。」



「ふんっ。」



ナオはそう言うと、スタスタと歩いて行ってしまった。



(私だって女の子だっつーの!まったくもう。)



< 47 / 200 >

この作品をシェア

pagetop