おもちゃのユビワ
ナオの部屋に着くと、紗季はナオを鏡の前に座らせた。



「こんな風に髪をアップにしたり、後ろを少し残してフェミニンな感じで…」



元々幼くかわいいイメージのナオから、少し雰囲気が変わる。



「へぇ、ちょっと大人っぽい感じ。」



「でしょ?ナオはいつもストレートな長い髪だから、イメチェンしやすいよ。」



紗季は慣れた手つきでナオの髪を結った。



「すごーい、紗季。上手だね。」



「ふふ、私実は美容師か、美容部員になりたいんだ。」



「美容部員て、あのデパートで化粧品を勧める人?」



「そう!」



紗季は目を輝かせて言った。



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