おもちゃのユビワ
「お前たちのクラスに小池っているだろう?その子は彼女の妹なんだ。」



「!」



秀二は驚いて声が出なかった。



今日学校で話しかけてきた女がまさしく拓巳の彼女の妹である。



そう思えば、今日の馴れ馴れしい態度も少しは理解できる。



秀二は返事に困った。兄貴に彼女が出来た事でさえ大事件なのに、その彼女の妹が同じクラスにいるのだ。



このままでは確実にナオにバレてしまう。それも時間の問題だろう。



「おい、どうした秀二。」



「…あ、いや。驚いて…」



「だろ?偶然てあるんだな。日曜日にお前たちが来る話を彼女にしたら、彼女にも妹がいるよって聞いてさ。よくよく聞いたら、同じ学校で同じ学年だったからよ、彼女が妹に聞いたらしい。そしたら同じクラスって言うから、てっきり俺は秀二が彼女の妹に聞いたんだと思ったんだ。」



秀二は拓巳の話を聞けば聞くほど、これからどうすればいいのか、戸惑いを隠せなかった。



兄貴に彼女がいることを出来るものならナオには隠しておきたい。



兄貴は離れて暮らしているんだから、それは可能だ。



でも彼女の妹が同じクラスにいるなんて。



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