おもちゃのユビワ
タッタッタッ



ナオの後ろから走ってくる気配がした。



秀二である。



ナオは振り返って秀二を見ると、秀二が手で行けと合図した。



「偉そうに!追いつきっこないって。」



ナオの競争心に火がついた。ナオは加速した。



(秀二は最近体鈍ってるから、このまま逃げ切れそう。)



そう思ったのもつかの間、秀二はあっという間に隣にいた。



「えぇっ!」



「急げ、ナオ。もう2分切ったぞ。」



「えぇっ!」



ナオはあっという間に追いつかれてしまった事と、後2分もない事に驚き、走るスピードがダウンした。



「おいおい、もう少しだ。ガンバレよ。」



「ハァハァもうダメだよ。先に行って。」



「仕方ねーな。」



そう言うと秀二は足を止めた。



「ま、遅刻は初めてだからいっか。」



始業のチャイムがなった。



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