おもちゃのユビワ
陸上部
秀二は陸上部の部室に向かっていた。



「あの~」



部室のドアを開けると担任の先生と部長が座っていた。



「おお、藤村!来てくれたのかっ」



部長は喜んで秀二を迎え入れた。



「藤村!どうした?」


知らなかったが、秀二の担任は陸上部の顧問だった。



「入部の事で来たんですけど。」



「入部?」



どうやら先生は秀二の入部のことは、知らないらしい。



「先生、小池から聞いてると思いますが、駅伝の欠員は藤村に頼んでいるんです。」



「ああ、その事か。藤村だとは聞いてなかったな。」



「まだ返事をもらってなかったので。」



「なるほどな。で、藤村はやりたいのか。」



「はあ、まあやってもいいかなと。」



「そうかー。悪いな。でもな、やりたくないなら、やらないでほしいんだ。」



「…?」



< 73 / 200 >

この作品をシェア

pagetop