おもちゃのユビワ
秀二とナオは今朝も走っていた。



「毎日毎日、いったいナオは何時に寝てんだよ。」



「朝は苦手なのっ!」



「でも、今日はちょっと余裕あるな。歩くか。」



「うん。」



二人は走るのをやめた。ナオはまだ息切れしている。



「ハアハア、秀二…ホントに持久力ついたね…」



「ムリしてしゃべってんじゃねーよ。」



「…落ち着いてきた。」



「朝が苦手なのは大変だな。」



秀二はナオのカバンを持った。



「ありがと。
陸上部どう?調子は。」



「ああ、大会までには間に合いそうだよ。」



「そう、良かったね。今度、練習のぞきに行こうかな。」



「いいよ、来なくて。」



「秀二いないとヒマなんだよねー。紗季と遊ぶ日はいいんだけど。」



「相手してやれなくて、悪いな。」



「あたしも陸上部入っちゃうかな。マネージャーとして。」



「えっ?」



「冗談、冗談。」



そうこうしているうちに学校に着いた。



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