おもちゃのユビワ
「待たせたな。」



練習が終わり、秀二はナオと帰ろうとした。校門を出ようとした時だった。



「秀二くん!」



振り向くと小池が手にプリントを持って走ってきた。



「これ、大会の日程表。」



「ああ、悪い。
まだみんな残ってたのか。」



「違うの。このプリントは休憩時間に配ったんだけど、秀二くん休憩時間いなかったから。後で渡そうと思ってたの。」



「悪かったな。」



「ううん。」



「…」



「…」



小池と話し終わったものの、昨日の今日だからかナオといるのが気まずく感じた。



突っ立っている二人にナオが話しかけた。



「小池さんも今帰りなら、一緒に帰ろう。」



「えっ?」



驚いたのは秀二の方だった。



「じゃ、途中まで一緒に帰ろうかな。」



三人で帰ることになってしまった。


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