おもちゃのユビワ
走り終わった達成感はこの上ないものだった。



「秀二くん!」



タオルを持って現れたのは小池だった。



「秀二くん、よかったよ。ありがとう!」



「お、おう…」



息が切れてうまく話せない。でも小池の笑顔が秀二の顔も笑顔にした。



(オレやめたくない…)



秀二はそんな気になった。悩みや考え事を吹き飛ばし、ただひたすら走る爽快感に魅せられてしまった。



陸上を続けたい。


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