トシシタカレシ。

基礎練習も終わって、1年生を受け入れる時間になった。


一年生は…来ない。

ま、当たり前か、変わり者の演劇部だもん。

ましてや男子なんか来るはずもない。


半ば、皆諦めかけてた時に集団の声がしてきた。

「演劇部の部室ってあそこ??」

「奥に引っ込んでたから気付かなかったわ…」


ガラガラっ。

「失礼…します…。」


部室に入って来たのは、6人の女子と…

1人の…男子…だった。


顔をよく見たら…


あ…あの男の子だ…


入学式に目が合ったあの子。

何故かずっと気になってたあの子。


なんでこんな地味な演劇部なんかに仮入部に来たんだろう…?

でも、これでちょっとこの子の事を知れるって思った。


ん…?

何でか分からないけど、どっかで見た事があるような気がした。

絶対に気のせいだと思うけど。


「じゃあ1年生も仮入部しに来てくれた事だし、自己紹介大会でもしよっか!!」

「良いね!」

「やろうやろう!!」


霧香の一言で、皆の自己紹介大会が始まった。

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