トシシタカレシ。

あの日からアタシは部活に行く度にドキドキするようになった。

向こうはただ純粋に「危ない」と思ったから言ってくれた事だったんだろうけど、アタシはそういう男らしい部分に弱い。


そういえば昔、友達には平気で、

「年下?え?マヂで無理無理~!」

…とか言った事あったような気もするけど…

ま、そこは忘れよう。



今日もアタシはドキドキしながら部室へ向かう。

アタシは2階に教室があって、部室は3階。

少しの階段が意外にダルかったりする。

…エスカレーターだったら良かったのに…


カタンカタン


後ろから階段を上がる音がした。

振り向くと…


「あ、センパイっ。」

「あ、か、神ちゃんっ。」


いつもアタシより早く部室にいる神ちゃんに珍しく会った。


「神ちゃん、珍しいね。アタシと同じ時間に来るなんて。」

「あ、ちょっと友達とケンカしちゃいました!」

「また~?もうやめなよ~」

「いや、何かアイツ見るとイラつくんスよ~…て、てかセンパイ、顔めっちゃ赤いっスけど…大丈夫ですか?」

「へ?か、顔赤い!?う、ウソでしょ??」

「ウソなんかつきませんよ…」

「とにかく平気だから!」

「あ、そうスか…で、あセンパイこの間の…」


その後部活に着くまで普通を装ってはみたけど…

アタシの体質、「赤面性」が発動した事により神ちゃんには心配かけるだけかけちゃった。


このおかげで神ちゃんを直視できない。


アタシがキョドってた間に、アタシと神ちゃんは部室に着いてしまった。


…もう少し話してたかったなぁ…

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