トシシタカレシ。

「じゃあ今日は寸劇やるから~2チームに分かれよ~」


寸劇とは制限時間30分の中でチーム内でお話を考えて3分位の劇を作り発表する事。


じゃんけんの結果、アタシは神ちゃんと同じ班になった。


「今日のテーマはズバリっ!『王子と姫』!じゃあ各チーム考えて~」


…またおとぎ系か…

…何か嫌な予感…


チームはアタシと宮ちゃん、それに廻と後輩女子2人…と神ちゃん。


「はいはーい!!」

「宮ちゃん、急にどした?」

「お姫様役は杏ちゃんが良いと思いま~す!」

「ハ?アタシこの間の新入生説明会の時も姫役だったんだけ…」

「私達も杏子先輩が姫役が良いと思います!」

「アタシも杏子が姫が良いと思うよ!」

「ちょっと廻、調子に乗らないでよ~…」


「…で、もちろん王子様役は神崎君ね!」

「お、俺ですか?」

「うん!ぴったりだと思うよ~宮は!」

「俺は何役でも良いですけど…」

「アタシも神崎が王子で、杏子が姫で良いと思う!…でアタシは魔王の手下っつー事で♪」

「アタシも何でも良い…」


…って言っておきながら実は嬉しかったりする。

ありがとう、宮ちゃんと廻…


結局配役は、姫役がアタシ、王子役が神ちゃん、家来役が後輩女子2人、魔王役が宮ちゃん、手下が廻というなんともベタな配役になった。

そして物語も魔王が姫をさらい、王子が助けに行くという「スーパーマ○オブラザーズ」的なベタなお話に決定。

これ、全部宮ちゃんの提案。

お話はまとまってるけど、なんか恥ずかしいなぁ…


「ハイハイハイ!それでは細かく指導するからちゃんとついてきてね!」


ここから村崎宮監督によるご指導が始まった。


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