トシシタカレシ。
「姫っ!」
「王子!助けて!!」
劇も終盤に差し掛かってきた。
「さぁ、今のうちに逃げよう!!」
「ハイっ!王子!」
ここで例の最大イベント、
「手を繋ぐ」というモノをやる時が来た。
ただ…
アタシが手を出しても神ちゃんは手を繋がない。
…どうしてだろ…
…と思った時、
「よっ。」
アタシを神ちゃんが…お姫様抱っこした。
『ヒュ~ヒュ~!』
お話を知らない皆は冷やかしの言葉をアタシ達に投げかける。
「神ちゃん、最初の設定とちが…」
「シーっ。今は演技を続けましょう。」
その後普通に演技を続けたけど…
ドキドキが止まらなくて、心臓が止まりそうだった。
どうもお姫様抱っこは皆に大好評だったらしい。
ただ…
何であの場面で神ちゃんはお姫様抱っこに変えたんだろ…
アタシはどうしても気になったから、神ちゃんに聞いてみる事にした。