トシシタカレシ。
第3章
それぞれの決断
~太陽side~
あの時決断したあの気持ち。
-木下先輩に告白する-。
そう決断したのに…
自分があの瞬間に出くわした事ですべての気持ちがはかなく散った。
このまま先輩を諦めるべきなのか…
俺はそんな事を考えてしまうまでに追い詰められていた。
最近は家に居てもこの事しか考えられなくなるから、少し散歩してから家に帰る事にしてる。
一人で歩く駅の道。
かなり寂しく感じる。
その時、一組のカップルの女子の方が俺にぶつかった。
「あ、すいませんっ!」
「大丈夫っす…」
彼女の方が俺に謝った。
「ちゃんと前向いてなきゃダメだろ?」
「はぁーい。」
カップルはイチャイチャしながら俺と反対の方向に向かっていった。
カップルを見ると心が痛む。
だって木下先輩と河上先輩の姿が蘇ってくるから。
…このまま木下先輩を諦めて良いのか…?
…この気持ち、先輩に伝えないままで良いのか…?
自分で自分に問い掛ける。
…やっぱり気持ちを木下先輩に伝えなきゃいけない。
俺は決心した。
最悪ダメだって良いじゃん。
よく「当たって砕けろ」とも言うし…
一つ深呼吸をした。
「おし、もう少し頑張らなきゃなっ!」
俺はもう一度立ち直り、木下先輩に気持ちを伝える事にした。
例えその結果が良くても、悪くても…