アルバイト
「なんで、またナマモノなんだよ!!」

タクヤが怒鳴る。

「んとね、チラシ貼ってたら若い奥さんに頼まれちゃって。
これ、オムツとミルクだって。」
ユウが背中に背負った鞄を指差す。

「駄目だ、却下。
責任とれるか。依頼主に電話して断るぞ。」

タクヤが携帯を取り出す。

「あっ、電話番号聞くの忘れた。」

ユウが思い出したように言ってくる。

「じゃあ、依頼主の名前は?」

「それも聞いてない。」

「…住所は?」

「…知らない。」

「…」

「…」

「ほぼ捨て子状態だろ、それじゃ!!」

タクヤが絶望的な叫びを上げた。
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