アルバイト
｢とりあえず、警察に届けるぞ。｣

｢ちょっと、待ってよ。
チラシに他言はしませんって書いちゃってるし。｣

タクヤの提案にユウが反論する。

｢そんなこと言ったって、相手は赤ちゃんだぞ？
命を他の荷物と同じように扱っていいはずないだろ？｣

｢うん、それは分かってるけど。
…でも、きっと赤ちゃんのお母さんもいろいろな事情があって、ちょっと魔が差しただけで、きっと後悔してると思うんだ。
だから、ちょっとだけ待ってみようよ。｣

ユウが一生懸命にお願いしてくる。

｢…分かったよ。
ただし、明日だけだ。
明日、依頼主を見つけだすか、依頼主から連絡が入るかしなかったら警察に届ける。
それでいいな？｣

ユウの気持ちに負けてタクヤが提案する。

｢うん、ありがとう！｣

ユウが満面の笑みを浮かべる。
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表紙・目次

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