未来へ
「すいません。凌央、寝室に運んできます。」
そう言って凌央を寝室に運んでリビングに戻った。
「今日は塚本と話がしたくて来た。
塚本さあ、重たいもの抱えてないか?」
「私、まだ大丈夫です!!
私が倒れると、琉祈や凌央にも迷惑かけるし。
今は頑張るしか道はないんです。」
今まで沢山の先生から親のこと、家のことを根掘り葉掘り聞かれた。
意地でも口を割らなかった私。
話すのが怖かったのもある。
でも一番の理由は<同情されたくない>ということ。
<あの子は親がいないから>と言われながら、
後ろ指さされながら生きたくはなかったし、琉祈や凌央にもそうさせたくはなかった。
<どんな人にも挨拶しなさい>
私が琉祈と凌央にいつも言ってること。
そして私が一番大切にしていること。