未来へ




私の言葉を聞いて、少し考えていた先生は口を開いた。



「んならさ、俺の話聞いてくれる!?」


「はい!」


「俺の両親さ、本当の親じゃないんだ。

俺がそのことを知ったのは中1の時だった。

俺の両親はさ子供が大好きなんだけど、なかなか子供が出来なかったらしい。

ある日な、たまたま公園を散歩してたらどこからか赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、最初は気にしてなかったらしい。

でもなんか不自然で、辺りを探したらベビーカーに乗せられた生まれてすぐの赤ちゃんが放置されていて、赤ちゃんのお腹の上には紙に一言、

{ごめんなさい。だれかこの子をお願いします。

誕生日は6月24日 午後20時09分・・・・}

と、俺のリストが書かれていたらしく、俺の両親はびっくりしたが俺を育てると決めてくれた。



その時俺は生まれてちょうど1週間で、両親は名前を決めて役所に出生届を出してくれた。


{悠祈}の{悠}には、穏やかという意味があるらしく、両親は俺がこれから穏やかに生きていけるように祈って{悠祈}とつけてくれた。







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