未来へ
2年前…
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家に帰ったら家が空っぽだった。
奥から出てきた母親は面倒くさそうに喋った。
「アパート引っ越すから。これ、新しい住所ね。
私は滝川さんと住むわ。
マンションはあなた達3人で好きに使いなさい。
荷物は運んだから。
マンション買ったから家賃はないわ。
あと、この口座に毎月40万振り込むわ。
それで生活出来るでしょ?
琉祈と凌央よろしくね。
これ、新しいマンションの鍵。
あと10分でこのアパート引き払いだから、もう出てね。
じゃ、さよなら。」
待って待って…
頭ついていかない…
まあ今まで母親は家にほぼ帰らず、愛人の滝川さんの家に入り浸り
琉祈と凌央と3人で生活してたも同然。
お金だけ置いて出ていき、帰ってきてお金だけ置いて出ていき…
を繰り返してた母親だった。
マンションまで歩いて20分。
オートロックの超高級マンション。
冷静に考えれば、少し嬉しかったりもする。
だって嫌いな母親の顔を見なくていいから。
今までと変わらない生活。
母親がお金を来なくて、口座に引き出しに行くだけ。
たったそれだけの違いと思えば、前向きになれた。