未来へ
神様の存在
目を覚まして1時間くらい経った時、病室に医者が入ってきた。
『塚本さん、歩けますか?』
『はい…』
『ICUに来てもらえますか?
琉祈さんの側に居てあげてください。』
私は1秒でも早く琉祈に会いたくて、病室を出た。
後ろで先生が寝ている凌央を抱き上げて、医者と何かを話していたのも耳に入らず、とにかく琉祈に会いたかった。
ICUに入り、琉祈を見ると言葉が出なかった。
沢山の管に繋がれ、いろんなところに包帯が巻かれ、酸素マスクをつけている琉祈は、朝みた琉祈とは違いすぎた。
『琉祈、琉祈…ごめんなさい。』
琉祈の手を握りしめ泣いていると、少し遅れて凌央を抱き抱えた先生が入ってきた。
『にぃに、いたいいたい?』
『そうだな。頑張れって言ってあげて?
にぃに大好きって言ってあげて?』
喋れずにいた私に代わって、先生は凌央の相手をしてくれた。
私の向かい側で琉祈の腕を擦りながら
『にぃに、いたいいたいとんでけ』
『にぃにがんばれ!』
『にぃにすき。にぃにバイキーマンしよう?』
と沢山の言葉をかけていた凌央を膝の上に乗せていた先生は、後半涙を流していた。