未来へ
暖かい場所
家に着いて、凌央をリビングのソファーに寝かしてから、その横で話をした。
『あのね、せんせぇ…』
自分の家のこと、親のこと、キャバクラで働いていること…
全部全部話した。
泣きながら、詰まりながらも一生懸命話した。
先生は背中をさすってくれながら、最後まで聞いてくれた。
『塚本、ありがとな!
これから先生にも協力出来そうな事があれば協力するから。
ずっと先生はお前の見方だから、辛くなったら吐き出していいからな?』
『うん。ありがとう…』
『自分が思う道を歩いてけばいい。琉祈くんの分も一生懸命生きてかなきゃ。』
『私、キャバ嬢やめる。
今まで琉祈や凌央の将来を思ってやってたけど、結局それは自己満足だったんだと思う。
琉祈や凌央が親居なくてさみしい思いしてるのは、私が一番分かってたのに、私も琉祈や凌央を置いて働いてた。
これからはお母さんのお金でやってく。凌央とずっと一緒にいる。』
『ん。えらいな。
塚本?
お金があれば絶対に幸せな訳じゃないんだと思う。
本当の幸せは心の中にあるんだよ。』
本当の幸せ…
そうなのかもしれない。
お金のために、琉祈や凌央に負担をかけた私はダメな人間だったな…
琉祈?
あなたの分も一生懸命生きるよ。
あなたの分も凌央を大事にする。
だからあなたは、空の上から、沢山のアドバイスをください…