アクアマリンの秘密【外伝】
「願うのは自由だけどな…
星に願いすぎると星も困っちまうぞ。」

「え?」

「お前の願いなんて星にかけるもんは1個もねぇっつーこと。」

「どういうこと…?」

「全部自力で叶う願い。
星に託すほどのもんじゃねぇよ。」

「だから蒼刃は…星に願うことがないの?」

「ああ。
俺の願いは自分で叶えられるもんしかねぇから。」

「そっか…。
じゃああたしも…星に願いをかけるの…止めようかな。」

「自分じゃどうしようもないもんだけ、星に願っとけばいいんだよ。
気が向いたら叶えてくれんだろ。」

「そ…うだよね…
最初から星にお願いしちゃ…星も大変だもんね。
桃依の身長は…桃依にあたしの分の牛乳をあげることで解決出来るし…
白斗さんのお休みは、お父様にお願いすれば大丈夫…。
紫紀さんと瑠香は…あたしが一押しする!!」

「それ、余計なお世話じゃね?」

「蒼刃は鈍感なんだから…黙ってて!!」

「お前にだけは鈍感とか言われたくねー…。」

「んー…緑志のは…二人の喧嘩にあたしが入っていけばいいんだよね…?
で…蒼刃のは…。」

「俺のは時間がかかるから。」

「え?」

「情けねぇ話だけど…一度…俺はお前を失ってるから。」

「…。」



切なげな横顔に…あたしは何も言えない。



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