アクアマリンの秘密【外伝】
「お前のこと、信じてねぇわけじゃねぇけど…
いなくなりそうな気がするのも否めねぇんだ…。
なんなんだろうな…この気持ち…。
自分でもよく分かんねぇんだ。」

「蒼刃…。」

「星に願わなくていいから…
約束してくれねぇか?」

「え…?」

「手、離さねぇって。」



いつの間にか、上から握られている右手。
あたしは左手をその上に乗せた。



「離さない…絶対。
あたしはもう絶対…蒼刃を忘れたりしないよ。」





何度口にしても、繰り返しても…言葉は消えていく。
言葉は目に見えないから、とても不確か。
だけど…あたしたちはその不確かな言葉を繰り返すことでしか安心出来ないから…
『約束』がないと不安になってしまうから…





「星に約束するね…。
蒼刃の不安が少しでも減るように…早く安心してもらえるように…
あたしは蒼刃のそばにいる…ずっと…。」



ぎゅっと、蒼刃の左腕があたしを抱き寄せる。
あたしは背中を蒼刃に少しだけ預けた。



< 43 / 75 >

この作品をシェア

pagetop