失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
なんでいきなり陽がやる気になったのかは不明。
「……俺にはないのか?」
生まれたての子犬のような目で見られた。
だがしかし、あたしには陽が何を言っているのか分からなかった。
「なに?」
「なでなで……」
おい、誰だ、このかわいい生き物は。
めっちゃかわいいやないか!
あたしは自分よりもかなり高い陽の頭に手を伸ばした。
「ん、サンキュ。やる気出た」
かわいいやないか!
二回目やないか!
同じセリフを二回も言ってしまった。
「ついでに俺も」
大雅があたしに頭を突きだす。
その後ろには大翔と優真君。
何の行列ですか?
「やる気、出そうかなって」
みんなで頭をあたしに向けると異様な光景。
――なんなんだ、これは
とにかく課題を出す気になってくれたので、仕方なくあたしはみんなの頭を撫でて回る。
うん、あたし、何?
「課題表見せて!」
「んなもんねぇよ」
「持ってこい」
役たたずか!
持ってたのは優真君だけ。
だめだ。このメンバー。