失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
「大翔は?」
「俺?俺は……」
人には言っちまえ!とか言うくせに自分は言えないのかよ。
「俺は……何でだっけ?」
忘れただけかーい!
忘れているということは、本当に小さなことだったに違いない。
「多分、お腹すいてフラフラな時に、シュークリームくれたからだった気がするけど……」
くだらねぇー。
まじでくだらねぇー。
なんていうか、ここはヤンキーなんだし、もっと暗い過去とかないのかよ。
「優真君は?」
なんていうか、この低レベルの仲間たち、
「俺は、町で逆ナンされた女の子とヤったら彼氏がヤンキーで、集団でぼこぼこにされてるところを助けてもらった」
……………………。
どうしよう。
期待してた答えなのに、いざきたらびっくりしすぎて……なんともいえねぇ、
「なんていうか、意外だね」
意外すぎだよ。
その理由は大翔にぴったりなのに、なぜ優真君から聞いてしまったんだろう。
一番似合わないよ。
「あははは、俺もまだ若かったからさ」
今でも十分若いからね。