失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



別に叫んだわけじゃない。


心の中で叫んだだけなのに、なぜか疲れる。

息切れが……



答えあわせと言われて、回されてきたそれぞれの課題を見てまたため息。


「大雅、あんた馬鹿すぎる。算数からやり直せ」


「まあまあ」


あたしをなだめても意味ないわっ!


「大翔……満点」


保健だけ。


「ま、常識だろ?」


そうでもないから。


それで、陽は……





「合ってる……」


正解率が一番高い。


これまた意外だ。


「陽、勉強してないだけで、ちょっと教えたらできるんだね」


できないんじゃなくて、典型的な、“やらない派”だったみたいだ。


しかも字がきれいだ。


「意外すぎだろ……」


多分あたしより綺麗。


「認めたくない……」


「うるせぇぞ、さっきから」


すいませんね。
あまりにも意外だったもんだから、つい、ね。つい。


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