失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



「それより、これ見てくれよ」


そう言って陽が見せてきたのは課題の隅に書かれた落書き。


「これは……」


す、すごい、


「シュークリームだ……」


そこに書かれていたのはシュークリーム。


しかも激うま。


おいしそうだよ。


「めっちゃうめー」


それを見て大爆笑する大雅。


しまいには机をばんばん叩く始末。



陽のシュークリームへの愛情がたっぷり込められた絵は大雅のツボにはまったらしい。


亜美は無言でその絵を返した。


「さぁ、休憩もすんだし、勉強再開しようか。次は間違えたところをマンツーマンで教えていくからね」


大翔は颯太が。
大雅は優真君が。
陽は亜美がみることになった。


もともとの頭脳はある程度あるみたいだから、教えるのは楽だった。


まぁ大雅を教える優真君はとても苦労しているみたいだ。


うん、あとで何か買ってこよう。



それぐらいのことならやってあげたくなるくらい苦戦していた。


「ここは代入するだけなんだけど……」


「代入ってなんだ?」




もう末期だよ。


医者もお手上げだろう。



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