失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
それにしても佐伯さんっていつからいるんだろう?
不思議な人だ。
でも彼は信頼できる人だ。
お金がほしいとか、地位がほしいとかそういうのは多分ない。
かなり長い間いるような気がしているけど、まだそんなに長くないはずだ。
一通りの毎朝の決まった動作を終えた亜美は部屋に戻り、パソコンの電源を入れた。
そして立ち上がるのを待つ間に着替えを終え、携帯でメールを作成した。
宛先は陽。
“これからしばらくの間、行けなさそう。ごめんね。”
絵文字も、顔文字も何もないメール。
まぁいつものことだからたいしてきにしないだろう
まだ朝早いから返事は期待しない。
ふとみるとパソコンが立ち上がっていたので、机にすわって、眼鏡を掛けて仕事を始めた。