失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



誰だって自分の命は惜しいもんだ。




車がゆっくり止まったのは綺麗な洋風の建物の門の前。



『どちら様ですか?』


「深瀬です。本日はお招きいただきましてありがとうございます」


『深瀬様ですね。門を開けますので、近くの係の者が案内いたします』


「分かりました」


会話が終了したと同時に、重たそうな音もさせず、軽く開いた門。


車をゆっくり発車させれば、すぐに燕尾服のお爺さんが見えた。


「本日はわざわざ起こしいただきましてありがとうございます」


「こちらこそ、お招きいただきありがとうございます」


「ではこちらへ」


彼に着いていき、車を止め、時計を確認したら、すでにお昼を少し過ぎていた。


「こちらで確認をさせていただきます。招待状はお持ちですか?」


亜美は小さなカバンから招待状を取り出した。


それを確認すると頭を下げた。


「ありがとうございます。ではこちらへ」


つれていかれたのは小さな部屋。


「少し狭いですが、深瀬様のお部屋になります。パーティーは長いですので、お疲れになられましたらこちらでおやすみになってください」

< 168 / 509 >

この作品をシェア

pagetop