失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
あたしの口から思い通りの言葉が出てこなかったってことがよく分かる。
こいつは感情を隠そうとはしなかった。
社交界ではきちんとしているくせに、あたしや、幼なじみの前では、自分の気持ちを隠そうとはしない。
「……あと、一年ないんだね」
あたしがあんたの所有物になるまで。
「そうね」
「嫌かい?」
「それが父の意志ならば」
あたしは別に後悔なんかしないから。
あんたの思い通りになんかなってやらないんだから!
無駄なあがきとしりながら、あたしは運命に逆らおうとする。