失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
あたしの反応が気に食わないのか、瑠伊とあたしの間にシュークリームを持ったまま、立ちはだかる陽。
瑠伊の驚いた顔が目に見える。
「あんた、邪魔だね」
懐かしい瑠伊の声に、あたしは再びどうしたらいいのか分からない状態になった。
「テメェ、誰だ」
ようやく陽のヤンキーらしい面に遭遇した気がする。
手に持っているシュークリームはこの際気にしない。
「別にあんたに関係ないじゃん」
「ここに入っていいのは俺が許した奴だ。テメェに許可を出した覚えはねぇ」
陽の言葉に、優真君たちが頷く。
「残念ながら俺は誰かに指図されるのが大嫌いなんだよね。万年反抗期なの」
そう言って笑う姿は昔から変わってない。
「陽、ごめん、ちょっとどいてね」
せっかくあたしの前に立ってくれた陽を追い越すようにしてあたしが立った。
「瑠伊帰ってきたんだ」
「まぁね。ってか久しぶり」
「久しぶり」
――今日は帰るか
残りのシュークリームを口に放り込むと、亜美はソファーから立ち上がった。
「瑠伊、今日は帰ろう」
多分この二人はいろんな意味で、合わない。