失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
武とヤンキーたち
武は納得いかなかった。
それは亜美がお金を置いていかなかったからでも、
何か失敗したわけでもない。
――くそっ
亜美にあんなことを言われるとは思わなかった。
“愛してなんかいないよ”
確かにそうかもしれない。
でももう婚約するほかなにんだよ。俺たちが昔に戻るには。
忙しい俺らを繋いでくれよ、亜美。
「俺は、ある意味、お前を世界で一番愛してるよ」
俺に笑顔を強要しない。
おれに仕事を強要しない。
俺を分かってくれる。
最高のパートナーになれると思うんだよ。
なのに、何で?
どうしてあんなことを言うようになったんだ?
前は婚約に納得してくれていたのに……いや、今も納得はしている。
でも断りたそうにしていた。
いまさらあんなことを言うなんて珍しい。
――なんかあった
武が思いついた原因はただ一つ。
「あいつらか……俺から亜美を取ろうとしてるのは。亜美は俺のなのに」