失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
金井武のいう、“亜美の事”という単語。
それに分かりやすく陽が反応する。
「亜美の事は、亜美の中にはお前らなんかじゃ一生かかっても理解できないような暗闇がある」
暗闇?
あのアホ面に?
なんて似合わない単語なんだろう。
「忘れたままの方がいいんだ。お前らといたらいつか思い出す。俺はそんなときがきたら、きっとお前らを許さない」
そう言い残し、金井武は優雅な仕草で帰っていった。
金井武が去った後に残るのは意味の分からない空気。
それと、金井の残した言葉の、“暗闇”という単語。
彼らにも、亜美にも闇が近づく。
――――――――武とヤンキーたち
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