失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
「とにかく、亜美はここが落ち着くんだろ?」
「まぁ、」
ここは確かに落ち着く。
何も考えないでバカやって、アホみたいな会話して……。
ちょっと違うけどあたしの思う、世間一般の青春がここにある。
「疲れた時、俺たちなら、何も聞かないで傍にいてやれる」
やめてくれ。
泣いちゃうから。
じわじわと視界を滲ませていくものが目からこぼれ落ちないように唇を噛む。
「まぁあれだ。また海とか行こうぜ!ってことだ」
どういうことかわからない。
でも大雅の言葉と、照れたように頬を掻くその仕草についつい笑みがこぼれる。
「みんなありがとう」
「どういたしまして」
優真君の笑顔が夕日をバックにしていたもんだから、よけいに輝いて見えた。