失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
昼休み、お弁当を持って部室に向った。
いつもあたしたちは部室でお昼を食べる。
誰にも邪魔されない、あたしたちね場所。
「話なさい」
お弁当をあけながら言う。
きっと話しやすいように適当っぽく言ってくれてるんだと思う。
ここが梓のいいところ。
「彼氏にフラれた」
「は?」
「フラれた」
梓がビックリしていて、お弁当を食べる手が止まる。
「あんないい感じだったのに?」
「他人からどう見られてたかは知らないけど、まぁそうだね。フラれた」
悲しくなってきた。
あたし、この短い時間で“フラれた”を三回も言った。
そのたびに心がピキピキと音を立ててひび割れてく。