失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
ボランティアはどうやら成功だったらしい。
まぁぶっちゃけ、髪の色的に入場禁止かと思ったりもしたけど、そのへんは大丈夫だったと優真君からメールが届いた。
ボランティアの日から3日たった頃、あたしは再び音楽室に来ていた。
よく考えれば、最近は毎日来ていない。
最初の頃は毎日来ていたけの場所。
今では仕事があったりするのもあって、3日に一回、1週間に一回が当たり前になってきていた。
彼らと出会ってはや半年がたった。
“もう”と考える自分もいれば、“まだ”と考える自分もいた。
「ボランティアお疲れ。盛況だったみたいだね」
「俺様がやったんだ。当たり前だ」
大雅のその自信の出所はあまだわからないまま。
「でも大変だったんだよ。大翔は介護士さん口説くし、陽は介護士さんに口説かれるし……」
「……そりゃ大変だ」
大翔はとりあえずしばらく近づかないでおこう。
「誰もテメェは口説かねぇよ」
「うっせぇ」
どうやらまた心の声が口から漏れていたらしい。
「亜美、俺口説こうか?」
「颯太……」
君はなんていい子なんだ!