失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
でもなんか違うよ。
「ありがたいけど遠慮しとくわ」
丁重にお断りしといた。
「亜美、ありがたく口説かれとけ。一生で最後だぞ」
バシコーン!
近くにあった誰のか分からない雑誌を大雅に向けて、かなりの勢いで放り投げてやった。
雑誌は綺麗に大雅の頭にジャストミート。
いい音だ。
あれは脳内に何も詰まってない時の音だ、なんて考えてたら、雑誌が帰ってきた。
すごいスピードで。
「亜美!テメェ何してくれんだよ!俺のスーパーな顔に傷がついたらどうしてくれんだよ!」
「そりゃこっちの台詞だ!あたしの顔は商売道具なんですけど!」
カチン。
こうなるともうとまらない。
二人で醜い争いを繰り返す。
「表出ろや!」
「上等だね」
大雅の言葉を聞いて、あたしもムキになってどんどん言い返してしまう。
このころにはさすがに優真君が仲裁に入ろうとする。
「そろそろやめとこうか」
「いや!やめらんねぇ」
「右に同じ」
大雅とあたしは睨み合ったまま、久しぶりに意見が合った。
「そんなに決着つけたいの?」