失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



優真君のその言葉に、あたしたちは睨み合ったまま頷いた。


「だったらじゃんけんとかどう?」


「へ?」


思わず力が抜けた。



何この平和主義ヤンキー。


「負けたほうは、勝者に謝って、なんか奢る。それでどう?」


「「ノった!」」


あたしたちは表に出ることもなく、ただ真剣にジャンケンをはじめた。


「「最初はグー!ジャンケンポンッ!」」






大雅がグー。
亜美がチョキ。



「はい亜美の負け!」


「くそっ、ムカつく」


ニヤニヤとドヤ顔であたしのことを見つめてくる大雅がとてつもなく憎い。


「おまえ等二人ともうるさかったから、俺に謝れ」


珍しく陽が怒った!?


「「すいません……」」


なんとなく怖くて、二人して素早く謝罪をした。


「……」


結構怒ってらっしゃる。


こういう時は……


「「シュークリーム買ってきます」」


二人で仲良くコンビニにむかった。





―――――――その先にあるもの






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