失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



知らないうちに眉間にしわがよっていたのだろう。


大雅がため息をはいた。


「あんなもん気にしてたら頭こんな色にしねーよ」


「……そっか」


どうも納得できない。


大雅の頭がたとえ真っピンクになったとしてもあたしは態度を変えないであげよう。


そう思った。







「楽しそうだな」



ゾワッ




背筋を凍らすような冷たい声。



聞き間違えるはずがない。



「しゅ、う」



まただ。


また振り返ることができない。



「……またお前か」


大雅があきれた声をだした。


そうだ、一回目に会った時も大雅と居たときだった。


「まだそいつらといたのか」


「あんたに関係ないっしょ」


大雅の声と、秀の声だけがこの世界から切り取られたみたいに聞こえてくる。


「あんたも物好きだね。亜美なんかといるなんて」



頭を殴られたような感覚。まるでそれだ。



「まぁね。あんたも物好きだねぇ。亜美で遊んでいいのは俺だけなんだけど」


いつもならムカつく台詞も今のあたしには救いにしか聞こえない。



それくらい追い詰められてた。


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