失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
話を聞いた後、瑠伊は大雅の服を掴んでいた手を離して言った。
「なぁ、お前らのこと責めてもいいか?」
――それ位しないと気が済まないんだよ
苦しそうにつぶやいた声はとても小さかった。
しかし今の音楽室はもっと静かだった。
瑠伊の声しか響かない。
「なぁ、お前ら言ったよな?守るって。その結果がこれかよ」
止まらない。
こんなこといくら言ったって何も変わらないのに。
「亜美のあんな顔、もう見たくないのに……。また俺は何も守れなかった」
悔しそうに呟く瑠伊に、誰も何も言えなかった。