失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
誰も瑠伊を慰めてやれない。
だってそんなこと言える立場ではない。
「俺は、お前たちのことなんか大嫌いだ。たとえ亜美がなんと言おうと、俺の意見は変わらない」
そう言って、瑠伊は勢いよく部屋を飛び出していった。
最後に一瞬、大雅を睨んで。
「……大雅、もう一回説明してくんねぇか?初めてそいつに会ったときのも頼む」
急に陽が大雅に頼んできた。
意味が分からないが、大雅は昔のことを思い出してみた。
そしてその時のことを陽に話してみた。
「……って感じだけど?それがどうかしたか?」
「……」
返事なし。
せめて返事はしてくれよ。
「うん、分かった」
おせーよ。
「何が分かったんだよ」
さすがの大翔も気になるようで身を乗り出している。
「亜美は悪くないって事が分かった」
「「「「…………」」」」
大翔も颯太も優真も大雅も、みんな無言で陽を見つめた。
「亜美が金持ちだから近づいて、それがバレたから亜美を傷つけて、今の亜美を見てまた亜美を傷つけてる。ほら、やっぱ亜美は悪くない」