失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
そんなあたしに優しく説明してくれたのは優真君だった。
「つまりね、大翔は俺達とつるむのを兄貴に反対されててね、その理由が“あんな奴らとつるんでいたらお前の損だ”って言われてるの」
「何それ、意味分かんないよ!陽とか、優真君とか颯太とか大雅とか……みんなのこと何も知らない人にそんなこと言われたくない」
みんなは怒ってないみたいなのに、あたしばっかり怒る。
「そんなこと言ってくれてありがとう。大翔はそんな兄貴を嫌いになりたいのに、昔の優しい兄貴が忘れられなくて嫌いになれないんだよ」
やっとあたしにも理解できた。
大翔は、昔みたいな関係に戻りたいんだ。
それはまるでこの前の武を見ているようだった。
武もまた、昔のような関係に戻りたかった。
だからあたしと婚約!なんて言い出した。
それに似てるのかな?
「昨日何があったのか知んないけどな」
昨日……
昨日と言えば金井家でのパーティー。
それにあのお兄さん。
亜美は分かってしまった。
「あ、あたしのせいだ……」
「あ?」
陽の声が聞こえた。