失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
「あたしのせいだ……」
あたしはもう一度呟いた。
「おい、亜美ちゃんと説明しろ」
初めて向けられる少し非難めいた視線。
「昨日は、パーティーがあって、それでそれは金井家のパーティーで、金井家は大翔の家より大きくて……」
説明になってない。
あたしの頭の中では言いたいことはたくさんあるのにそれが言葉としてでてこない。
「おい!しっかりしろ!」
アタシガヒロトをキズツケタ
そんな言葉が頭を駆け巡って、陽の言葉を遮断する。
「あ、ああああたしが……」
「おい!亜美落ち着け」
陽の言葉なんか全然聞こえない。
どんどんパニックになっていく頭。
なのに、どこか冷静なあたしがいて、落ち着かなきゃいけないことをわかってる。
「―――――落ち着け、亜美」
フワッと亜美の体を何かが包み込んだ。
いつのまにか滲んでいた涙が冷たいなぁなんて思った。
「大丈夫だから、ゆっくりでいいから、」
亜美の体を包む優しい暖かさは陽の体。
――あぁ、抱き締められてるんだ
その理解がやってきた頃、あたしは落ち着けた。