失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



「大翔はお兄さんが好きなんですよ。だから、自分の友達を認めてほしいんです。他の誰でもなく、あなたに」


認めてもらいのに、頭ごなしに反対する。


「損得無しに、大翔は陽たちと付き合ってる。楽しそうに」


ショボーンとした顔をしているところを見れば、この人なら変われると確信できた。


ちゃんと自分のしてしまったことを反省できている顔だ。


「たくさんの社員と会社のことを考える前に、一番身近な人を認めるのを忘れています」


亜美はそれだけいうと、大翔のお兄さんを残し立ち上がった。



「…………そういえば、今後、深瀬は斎藤家に関与は一切しません。このようなこともありません。ただし、斎藤家から深瀬に助言を求めるなら、私たちは全力で対応致します」


業務連絡みたいに一度もつっかえることなく、亜美は台詞を言った。


「今日は大変ご迷惑をおかけしました。ご無礼も、お許しください」


亜美は言葉と笑顔を残して、斎藤家をあとにした。



もう、彼らは大丈夫だ。






――――――――――頼りない愛





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