失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
強制連行中も手は離してくれない。
「手、離してよ」
「だーめ。うちのリーダーに頼まれてんのよ。“絶対連れてこい”って」
リーダー?
「陽ってやつ?」
あのシュークリーム大好き人間か!
「そうそう。そいつ」
こいつは本当に陽をリーダーって思ってんのかな?
“そいつ”とか言いやがったぜ?
「シュークリーム……じゃなかった。陽ってやつは何様……じゃなくて何者なの?」
「間違えすぎだ。まぁ、ガキ大将みたいな?」
大翔は色気たっぷりに笑う。
「あんたイケメンだね」
「そこのラブホ行く?」
「1人で行けよ」
「1人で逝け?あら、エッチ〜」
海に沈めてしまいたい。
あたし、こいつに会ってから何回頭の中でこいつを海に沈めてるだろうか?
きっと覚えてない。