失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
亜美が出ていった後、大翔が口を開いた。
「なんか今の亜美の挨拶おかしくね?なんか……永遠の別れみたいな……?」
「はぁ?あいつが?あいつは交通事故にあっても死なねぇだろ」
「亜美に失礼だぞ!」
亜美を庇ってくれるのは颯太だけのようだ。
大雅は好き勝手いい放題だ。
「陽、なんか知ってっか?」
「知らない」
陽の素早い返答と素っ気ない態度に少し違和感を持った。
でも何も聞けなかった。
「まぁ明日にはいつものアホ面でくんだろ」
「そうだな……」
大翔は大雅の言葉に曖昧に頷いた。
――嫌な予感がする
そしてその予感は的中する。
次の日もその次の日も。
1週間、亜美はあらわれなかった。
毎日来ていたわけではない。
でも1週間もこない日は必ず連絡をくれていた。
つまり亜美は無断欠席なのだ。
「なんかおかしくね?」
さすがの大雅も心配している。
「忙しいんじゃねぇの?」
そして陽の素っ気ない態度。
まるで亜美を拒否しているようだった。
そして、悪いことは続く。