失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
そんなことをしてたらついてしまったじゃないか。
「はいこっちだよー」
園児に言うみたいに言うからいらつく。
少し拗ねて足を止めてやった。
「……何かな?」
だめだ。
こいつあたしをバカにしてる。
これ以上の悪あがきはきっと無駄だ。
あたしはため息を吐いて手を引かれたままに進んだ。
昨日と同じ場所。
使われてない音楽室。
よく見ればピアノらしきものがある。
なぜかカラフルだがな。
誰だよ。ピアノをレインボーに塗ったやつは。
そして真ん中にあるソファーに座るのは、陽。
あたしはそいつを睨む。
不本意だが、こいつが言ったとおりになった。
“あたしは今日もここにきてしまった”